本文へスキップ
Fabulada

ライブラリ

お話24件

できたてのお話· 日本語

季節と天気JA

ひっくひっくのお団子

お盆の上で、お団子の山が、ひっく、ひっくとゆれていました。 ミオは目をまるくしました。お団子がしゃっくりをしているみたいです。 「ミオ、お湯がわくまでに、お団子を縁側にならべてね。今夜はお月見だからね」 台所から、おばあちゃんの声がしました。やかんが、ことことと言いはじめています。…

季節と天気JA

ちいさなたねとハル

ハルは、せかいでいちばんちいさなたねを、ポケットにもっている男の子でした。 ハルは、そのたねを、小川のむこうの、日のよくあたるところにまきたいと思っていました。 「あそこなら、きっとおおきくなるよ」…

季節と天気JA

ミナとバケツのかえる

「ぽとん」という音がして、ミナはバケツをかかえて走った。 天井から、水のしずくが落ちている。ミナは、おばあちゃんの毛糸のかごをぬらしたくなかった。雨の日の午後は、毛糸でくつしたをあむ時間なのだ。 ミナはバケツを床に置いた。 ぽとん。しずくは、バケツのよこに落ちた。 「あれ? こっちじゃないの?」…

からだと五感JA

ハルと黄色い毛布

ハルは、毛布をマントみたいに首に巻いて、どこへでも行く女の子だった。 ゆきの朝、ハルは毛布をかけた鉢植えを見に、窓べに走った。ゆうべ、寒くないようにかけてあげたのだ。ところが、毛布がない。 「もうふ、どこ?」 外を見ると、庭の木のてっぺんに、黄色いはしっこがひらひらしていた。風にとばされて、ひっかかったのだ。…

まちのお仕事JA

ゆうびんやさんのながれる川

山のふもとの村に、小さな川がありました。この川は、毎月一日だけ、山のほうへさかさに流れます。村の人は、だれもふしぎに思いません。 ハルは、この村のゆうびんやさんです。今朝は一日。赤いかばんの中には、うめおばあさんへの手紙が一通入っています。 「朝ごはんまでに、とどけるよ。とん、とん、とどけます」…

勇気とこわいものJA

わらのへやのフクロウ

ハルは、おばあちゃんの家のわらのへやで、ひとりでねてみたかった。 わらのへやは、はしごのてっぺんにある。高いはりからは、ロープのブランコがさがっている。 「うえでねていい?」 「はしごをひとりでのぼれたらね」と、おばあちゃんは言った。…

勇気とこわいものJA

押し入れのごそごそ

押し入れは、ハルの家の廊下のつきあたりにありました。 ハルは五さいです。今日は、おばあちゃんのお誕生日です。ハルは、赤いリボンをかけた絵を、押し入れの中にかくしておきました。ごはんのあとで、「はい、どうぞ」とわたすのです。 おばあちゃんが居間にすわったとき、押し入れから音がしました。 ごそごそ、ごそごそ。…

勇気とこわいものJA

ふたりの探検隊

ハルは、探検隊の隊長になって、木の上の基地に一番にのぼりたかった。 基地は、大きな木の三本の太い枝のあいだにある。のぼるには、なわばしごを使う。おとうさんが今朝つけたばかりの、新しいはしごだ。…

はじめての体験JA

ハルの大きな冒険

「まだ入らないよ」と、ハルは言いました。 ハルは四さいの女の子です。きょうは、お医者さんに行く日。せきが出るので、見てもらいます。なおったら、あしたは池へ行けます。池のまわりのはすの葉は大きくて、ハルがのっても、しずみません。ハルは、その上でぴょんぴょんとびたいのです。…

友だちとやさしさJA

あわのふんすい

温室の中は、あたたかくて、しめっていました。 ミナは小さなじょうろを持って、なえの前に立っていました。芽が出たばかりのちいさなみどりが、ずらりとならんでいます。…

友だちとやさしさJA

ひとつぶのどんぐり

「ミナちゃん、きしゃをかして」 こぐまのタロが、うさぎあなの入り口で言いました。 ミナは、うれしくなりました。赤い木のきしゃは、ミナのいちばんのたからものです。タロは、つみ木でトンネルをつくったところでした。きしゃを走らせたくて、来たのです。 「いいよ。ちょっとまってね」…

きもちJA

ぜんまいがえる

ハルがおもちゃ屋で見つけたのは、背中にぜんまいのついた、みどりのかえるだった。 いちばん下の棚に、ひとつだけ残っていた。 「これがいい!」 ハルは両手でかえるをつかんだ。そのとき、もうひとつ小さな手が、かえるの足をつかんだ。ユイだった。 「わたしが先に見つけたの。いもうとのたんじょうびなの!」 「ぼくの!」…

友だちとやさしさJA

ちりんとブランコ

ハルは、ブランコのまえに立っていた。ブランコは二つある。でも、一つはざせきがなくて、くさりだけがぶらんと下がっている。 ざせきのあるほうには、ソラがのっていた。 ハルは、ブランコにのりたかった。いちばん高いところまで、ゆらゆらいきたかった。 「ねえ、まだ?」 「もうちょっと」…

友だちとやさしさJA

まるい石とごめんね

ハルは、カイに「ごめんね」と言いたかった。 きのう、ハルは川原で、カイの石のとうを足でくずしてしまったのだ。カイは何も言わずに、帰ってしまった。 きょうも、カイは柳の木の下にいた。ひとりで、平らな石をさがしている。 ハルは、ポケットから白い石を出した。つるつるで、まんまるの石だ。これをあげて、ごめんねと言おう。…

きもちJA

ミナとあわのふんすい

ミナは、たまごを両手でそうっとかかえて歩いていた。お店に残っていた、最後のひとつだ。今夜は、おそいばんごはん。パパの大すきなふわふわのたまごやきを、ミナがつくってあげるのだ。 近道の広場に、ふんすいがあった。うたをうたうと、水のかわりにあわがぷくぷく出てくるふんすいだ。 「ふんふん、ふーん」…

きもちJA

ゆきだるまの にんじん

ミオは、おとなりの男の子に「いっしょにあそぼう」と言いたかった。 男の子の名前はレン。きのう引っこしてきたばかりだ。いま、庭で雪だるまを作っている。ミオはポケットに小さなにんじんを入れて、門のうしろに立った。 「いっしょに……」…

きもちJA

あわあわの ふんすい

「おばあちゃん、どこ?」と、ミオは言いました。 ミオは五さいです。今日は、おばあちゃんに会いに、生け垣の迷路まで来ました。おばあちゃんは、迷路のまんなかのベンチで待っています。会いたくて、会いたくて、ミオは走りました。…

家族とおうちJA

カワウソの家族

川のほとりに、カワウソの家族の巣がありました。 ハルは、そこに住む小さな男の子です。 今日は月のはじめの日で、川の水が上へ上へと流れる日です。みんな知っているので、だれもおどろきません。 ハルには、したいことがありました。赤ちゃんのミミに、ふかふかのベッドをつくってあげたいのです。巣の土は、ミミにはつめたすぎます。…

家族とおうちJA

あかないとだな

ハルは、あたらしいおうちの小さなとだなに、たからばこをしまいたかった。 たからばこには、どんぐりと、あおいビーだまと、まえのおうちのかぎが入っている。 「ここにしまおう」 ハルはとだなの戸をひっぱった。でも、あかない。 「あかないなあ」 こんどは、おしてみた。やっぱりあかない。 「あかないなあ、あかないなあ」…

家族とおうちJA

うめぼしのつぼ

ハルは、おばあちゃんの台所のゆかに、ちいさなとびらを見つけた。 「おばあちゃん、これなあに?」 「くらのとびらだよ。うめぼしのつぼが、下にあるの」 おばあちゃんは、あついごはんでおにぎりをにぎっている。手がはなせない。 「ハル、とってきてくれる?」 「うん!」 ハルは、おにぎりにうめぼしを入れたかった。…

動物と自然JA

つきよのクジラ

満月の夜、小さな港の桟橋は、しんと静かだった。 ミオは桟橋のはしに座っていた。今夜クジラが湾に来ると、おじいちゃんが言っていたのだ。ミオは、そのクジラにひと目会いたかった。 でも、海は黒くて平らで、クジラはどこにもいない。 ミオは大きく息をすった。 「おーい!」 すると、むこうの岩山から、ひと息おくれて返事がした。…

動物と自然JA

ハルとてんとう虫

「ハル、てんとう虫が庭にいたよ」というおばあちゃんの声を聞いて、ハルは長ぐつをはいて庭へとび出した。 ハルは、てんとう虫に会いたかった。まだ一ども、手にのせたことがないのだ。 庭のすみには、風が向きをかえるたびにひとりで鳴る風りんがさがっている。ちりん。この庭では、だれもふしぎに思わない。 ハルは黄色い花の上を見た。…

動物と自然JA

モモとおつきさまの丘

モモは、なんでものぞいてみたくなる子猫でした。 くつの中も、ゆきの穴も、ポストのすきまも、のぞかないと気がすみません。「なんだろう、のぞいてみよう」が、モモのくちぐせです。…

動物と自然JA

やかんとモモ

ミナは、ボウルの中の粉をぐるぐるまぜていた。台所じゅうが、雪がふったみたいに白い。 「ホットケーキを作ろうね。モモが来て、はじめての朝ごはんだよ」 モモは、きのううちに来た子犬だった。ミナは、モモとなかよしになりたかった。でもモモは、テーブルの下で小さくなって、ふるえている。 「おいで、モモ」 モモは動かない。…