友情とやさしさ日本語
ちりんとブランコ
ハルは、ブランコのまえに立っていた。ブランコは二つある。でも、一つはざせきがなくて、くさりだけがぶらんと下がっている。
ざせきのあるほうには、ソラがのっていた。
ハルは、ブランコにのりたかった。いちばん高いところまで、ゆらゆらいきたかった。
「ねえ、まだ?」
「もうちょっと」
ソラは足をのばして、ぐうんとこいだ。ギーコ、ギーコ。
ハルは、じめんの石をならべて、まった。まだかな、まだかな。
「ねえ、まだ?」
「もうちょっと」
ハルは、くさりだけのブランコにすわってみた。おしりが、ストンとおちた。いたい。ハルは、ぷうっとほっぺたをふくらませた。
そのとき、ハルは気がついた。
ソラの足のさきが、高いところにくると、木のえだにとどきそうになる。えだには、小さなすずがぶら下がっていた。
ソラは、そのすずをけりたいんだ。
「ソラくん、ちりんって鳴ったら、かわって!」
ハルがいうと、ソラはにっこりした。
「わかった!」
ギーコ、ギーコ、ぐうん。ソラの足が、えだにとどいた。
ちりん!
「やった!」
ソラはぴょんとおりて、うれしそうにはしっていった。
ハルはブランコにのった。ギーコ、ギーコ。ぐうん。ハルのくつが、ぽーんとぬげて、すなばにおちた。
「あっ!」
ハルは、はだしの足を、もういちどのばした。
ちりん。
すずの音が、ゆっくりゆっくり、ちいさくなっていった。