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友情とやさしさ日本語

まるい石とごめんね

ハルは、カイに「ごめんね」と言いたかった。

きのう、ハルは川原で、カイの石のとうを足でくずしてしまったのだ。カイは何も言わずに、帰ってしまった。

きょうも、カイは柳の木の下にいた。ひとりで、平らな石をさがしている。

ハルは、ポケットから白い石を出した。つるつるで、まんまるの石だ。これをあげて、ごめんねと言おう。

でも、近づくと、のどがきゅっとなった。声が出ない。

「あ、あの……」

ころん。石が手からおちて、ころころ転がった。ハルがつかまえようとすると、石はするりと先へ行く。もう少しでつかまえる、というところで、また、ころん。

ハルは石を追いかけて、川原をぐるっと一まわりした。

そのとき、ぽつん、ぽつんと雨がふってきた。向こうの丘が、ふうーん、と低くうたいだす。雨の日の、いつもの歌だ。

ハルは足をとめて、石を見た。石は、ななめのところばかり転がっていく。

「そうか。平らなところなら、とまるんだ」

ハルは石をひろって、大きな平らな石の上に、そっと置いた。石は、ぴたり、ととまった。

ハルは石を両手でもって、カイの前に行った。

「カイくん。これ、あげる。きのうは、くずして、ごめんね」

小さな声だったけれど、ちゃんと言えた。

カイは白い石を見て、にっと笑った。

「ちょうど、いちばん上の石がなかったんだ」

二人で、石をつんでいった。いちばん上に、白いまるい石をのせる。石は、ぴたり、ととまった。

柳の枝から、雨のしずくがひとつ、ぽとん。丘のうたは、ふうーん、といつまでも続いていた。